会計システムと販売管理システムないし生産管理システムの関連

query_builder 2023/09/15
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販売管理ないし生産管理と会計システムの連携のさせ方を解説
販売管理生産管理会計業務関連_R

 企業の業務は全て所謂お金に換算されるます。

 会計業務は財務会計業務と管理会計業務の2種類があります。対外的に会社の財務状況を見せるための財務会計業務と会社の運営に必要な予実算管理をするための管理会計業務です。 日々の資金の流れをを扱うのが管理会計業務ということです。

 会計処理が日々の資金の流れに関わると言うことは、販売管理や生産管理が大きく関わってるということです。即ち会計システムは販売管理システムや生産管理システムと連携しないと機能しないと言うことです。

 管理会計は、企業によって必要な情報をカスタマイズできるものですが、概ね「予実管理」「原価管理」「経営分析」「資金繰り管理」を行います。 管理会計の内部的な費目が最終的に財務会計の仕訳に収斂して対外的なレポートが作成されることになります。

 今時会計処理をExcelでしている会社は多くはないと思います。なにがしかの会計システム(弥生や会計王など)を使っていると思います。 市販の会計システムはExcelのデータ入出力機能は持っています。しかしExcelで対応しているデータは会計処理に関連するデータ(仕訳台帳や項目辞書など)の入出力に限られているのではないでしょうか。

 販売管理システムを構成する見積もり台帳、契約台帳、在庫管理台帳、顧客台帳などをExcelで管理している場合それらの台帳のデータを直接会計システムに取り込む仕組みはないのではないでしょうか。

 販売管理システムを構成する個別のシステムは次のようなものです。管理会計との関わりを考えてみました。


販売管理システム

受注管理システム

 受注台帳データを扱うシステムです。

 受注台帳では受注残、受注残高及び在庫を管理しています。在庫管理そのものは在庫管理システムで行いますが受注台帳のデータが在庫管理を実施するトリガーとなります。

 受注残、受注残高が経営判断に必要となります。 従って受注台帳を適切に記載することは経営にとって大事なことです。

 受注台帳で業務の流れは次のようになります。

 受注が決まると受注残(出荷数)に計上し売り掛け(受注残高)計上も行います。 受注したものが実際に顧客に納入されると受注残を減らし売り掛けが売り上げに変わります。

 受注残や受注残高を管理し仕訳項目を状況に応じたものにするのが管理会計と言うことになります。


出荷管理システム

 出荷台帳データを扱うシステムです。   

 出荷実績に合わせて受注残及び受注残高を減らす処理をします。出荷台帳のデータが在庫管理のトリガーになります。   

 出荷台帳はどちらかというと実際の物流を管理するものですが、この台帳のデータにより在庫管理が行われ棚卸し資産管理をすることになります。

 棚卸し財産の費目管理が会計システム(管理会計)の業務となります。


請求管理システム

 商品納入が完了した時点で請求書を発行し売掛金を売り上げに変える処理(売上計上)が必要です。会計システムの業務です。


仕入れ管理システム

 発注台帳データを扱うシステムです。

 発注台帳では発注残、発注残高及び在庫を管理しています。受注台帳の場合と同じに在庫管理そのものは在庫管理システムで行いますが発注台帳のデータが在庫管理を実施するトリガーとなります。

 発注をすると発注残(入荷数)に計上し買い掛け(発注残高)計上もします。 発注したものが実際に納入されると発注残を減らし買い掛けが仕入れに変わります。その処理を管理会計システムでしています。


在庫管理システム

 どちらかというとリアル在庫(数)の管理を行うものです。 入出庫伝票に従って数増減を管理するものです。この数値を受注残や発注残に結び付けるものがの会計処理システムと言うことになります。


  また生産管理システムを構成する個別システムと会計システムとの関わりを考えてみます。


生産管理システム

 次のようなシステムから構成されます。

・調達・購買管理システムあるいは発注管理システム

 発注台帳データを扱うシステムです。販売管理の発注管理システムと同じものです。発注するものが販売品か生産財かの違いだけです。 会計システムとの関わり方は販売システムの場合と同じです。


・在庫管理システム

 在庫管理台帳データを扱うシステムです。 仕掛かり在庫の管理のための台帳です。扱いは販売在庫と同じです。 


・工程管理システム

 工程管理台帳データを扱うシステムです。

 製品を納期に合わせて製造するためのスケジュール管理の台帳です。 直接的に会計システムとの関連はありませんが、この台帳から得られる稼働率などの数値が原価管理に使われて経営判断をするための情報となるものです。

 会計システムとは直接関わりが無いため当然ながら工程管理システムと会計システムは独立したものであり、データの連係はありません。双方とも他方のデータが必要になる場合には人手を介した連係が必要です。


・販売管理システム

 販売管理台帳を扱うシステムです。 ただし販売管理業務としての販売管理システムの使い方とは意味合いが異なります。販売管理業務で実施された受注や販売計画に従って生産計画を立てるために使用するものです。直接的な会計システムとの関わりはありません。

 生産計画に従って仕入れ発注を行う業務を通じて会計システムとの関わりを持つことになります。

 直接的な会計システムとの繋がりが無いため生産管理システムとしての販売管理システムと会計システムは互いに独立したものです。やはり双方とも他方のデータが必要になる場合には人手を介した連係が必要です。


・原価管理システム

 製造に関わる諸費用を積み上げて原価計算をするシステムです。高度な経営判断に必要な情報を算出します。 製造部門ではどちらかというと費用を積み上げるために使用するものです。直接的に会計システムとは関係ありません。

 会計システムで原価に関するデータを必要とする場合はどうしても人手による連携が必要になります。


・出荷管理システム

 出荷台帳データを扱うシステムです。

 契約に従い在庫状況を勘案して実際の出荷を管理する台帳です。基本的に販売管理業務の出荷管理システムと同じものです。強いて違いを言えば自社製品の出荷に関する処理をするものです。

 仕入れ手配や製造手配をこの台帳に基づいて実施します。出荷された内容は受注残に反映されるべきものとなります。


・配送管理システム

 配送台帳を扱うシステムです。 実際に製品を配送するための台帳です。 配送手配に使用するものです。最終的には荷造運賃として計上されるデータを提供するものです。しかし配送管理システムと会計システムは直接的な関わりではないのでやはり相互に独立しています。もし双方の連係が必要な場合人手による連携処理が必要と言うことです。


・品質管理システム

 品質台帳を扱うシステムです。 品質に関わる各種データを管理する台帳です。製品が仕様通りであることを保証するための情報を含んでいます。  直接的に会計システムとは関わりませんが顧客の製品の評価を左右する情報を含み高度な経営判断に必要なものです。品質を上げるために必要な費用を管理するものでもあります。そこに会計システムとの接点があることになります。

 しかしどちらかというと原価管理の意味合いが強く会計システムと連係はしないのが普通でです。強いて連係をさせる場合やはり人手の介入が必要になります。


・顧客管理システム

 顧客台帳を扱うシステムです。 契約によるオプション要求に対応するために顧客情報を使用するもので直接的な会計システムとの関わりはありません。強いて言えば請求業務として会計システムに関わりがありますが、直接的な関わりは無いので連係が必要になる場合にはどうしても人手による処理が必要です。


  販売管理システムや生産管理システムは直接的に会計システムとは連携しません。しかし販売管理システムや生産管理システムの個別の機能をExcelで行っている場合は多く、これらからデータを抜き出して会計システムに取り込む場合にはExcelのマクロを活用することができます。

 石黒社会システム研究所はそのマクロを作成するお手伝いをします。 石黒社会システム研究所はこのようなマクロ作成のような小さなシステムに限らず、殆ど全てのシステム作成のお手伝いをするスキルがあります。何かシステムに関して困っていることがあれば是非ご相談ください。

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