DXとオンラインシステムの関連

query_builder 2022/10/21
ブログ
オンラインシステムについて
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業務改革ないしDX化をするさいに避けては通れないオンラインシステムについて考えてみます。

今更ですがオンラインシステムはセンターのコンピューターシステムにネットワークを介して遠隔地にある端末を繋いでその端末からセンターのコンピュータを利用する技術を指す概念です。

昔は大型のホストコンピューターと言われるものを利用するのにそのコンピューターがある場所で、情報を紙のカードに記録したパンチカードや磁気テープを利用して情報処理をしていました。
またコンピュータの処理結果はコンピュータが置いてある場所のプリンタで出力しなくてはなりませんでした。

この場合コンピュータのある場所に出かけていかなくては情報処理ができなかったため非常に不便です。その不便さをなくすために通信技術でセンターのコンピューターと遠隔地の端末とを結んで利用する方法が考案されました
それがオンラインシステムの始まりです。

TSSと言う言葉をご存知でしょうか。
言葉自体の意味はタイムシェアリングシステムを指しますが、センターのコンピューターをネットワークに繋がれた端末から多数の人がほぼ同時に使えるようにする技術です。
TSSは端末からコンピューターに簡単なコマンドを送ってその結果が表示されるというだけのシステムです。
単発のコマンド処理を多数の人が同時にできるようにしただけのものです。
端末から人が指令を出す動作の時間及び端末が処理結果を受け取るための通信時間はコンピュータの処理時間に比べて圧倒的に遅いため、一人の人だけでセンターのコンピューターを使う状態では、センターのコンピュータがアイドル状態になってしまう状況が発生します。
そこで多人数で高価なセンターのコンピュータを効率的に使うために考え出された技術がTSSです。
端末からセンターのコンピュータを使うという意味でオンラインシステムの走りになります。

単発のコマンド処理では高度な処理をさせるのには向きません。
そこで少しでも高度な処理をさせたいとの要望が出てきて各処理を制御する必要からUNIXというOSが作られました。
UNIXでは人とコンピュータを結びつけるものはCUI(キャラクタユーザーインターフェース(文字によるコンピューターと人とのインターフェース))と言われるものが主流でした。
それがシェルスクリプトと言われるものです。
シェルスクリプトでいろいろな処理を組み合わせられるようにったのがオンライン処理の礎になります。
TSSが発展してきたことにも関係しています。

CUIでは一般の人が使いこなすのが難しいため画像を中心としたGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)が求められそれを実現したのがWindowsないしMac OSです。

WindowsないしMacの登場で端末側の表現力が格段に高まり企業の業務処理が端末側でやりやすくなりました。
端末側でデータが見やすくなったとしても企業が持つデータを全部参照できないと適切な経営判断はできません。
昔はデータの参照とそれを見やすく加工することが一体のものとしてシステム(プログラム)が組まれることが当たり前でした(昔はセンターのコンピューターしかなくそれでなんとか対応できていた、というよりはそれしか方法がなかったということです)。
即ち端末側に必要なデータと画像を全部送る必要があったと言うことです。
企業が持つデータ膨大でありそれらのデータを全部端末に送るのは回線容量が不足して上手くいきません。

そこでMVCモデルが考え出されました。
大量の各種データベース(M(モデル))のデータを更新参照する制御(C(コントロール))をして見たい状況を見せる(V(ビュー))技術です
データ(M)と見栄え(V)を分離しようというものです。

ビューのテンプレートを端末側においてモデルの必要なデータだけをコントロール処理で抽出して処理を進めようという考え方です。

それが所謂Webアプリ(HTMLドキュメント)と言うことになります。
MVCをWEB風にアレンジしたものです。
Webアプリはオンラインシステムが前提で作られています。
MVCそれぞれオンラインで結んで処理をしてます。

TSSの時代では端末はダム端末(dumb terminal(莫迦なターミナル))でした。どちらかというと文字情報表示用です。画像などの表示が困難だということです。

初期のWEB画面はダム端末に似ています。即ち情報のレイアウトなどは工夫できて多少見やすくなりますが表示される情報は文字が中心でした。

ダム端末では使い勝手が悪く端末側で画像表示やデータ入力の役割を持たせる必要が出てきました。その目的でWindowsないしMac OSによりリッチクライアント端末が作られるようになりました。

この頃は通信環境は帯域が狭く大量のデータ送信は困難でした。リッチクライアントのデータをいちいち送るのは無駄でもありますのでリッチクライアント処理をそこに任せてしう方法の一つがクライアントサーバー方式です。

大本のデータはセンターに置いてレポートや伝票出力を端末で行おうというものです。
クライアント(端末)を導入することで入力と結果を端末で処理できます。
・入力時の単純ミスの削減(入力居場所でデータの不備を発見できる)
・伝票を正しく作れる
と言うメリットが出てきました。これが実は所謂業務システムです。
これは実は立派にオンラインシステムです。
しかし処理の基本は集中処理ですので業務間の連携は取りづらいものです。
ちょっと前の時代の主流の技術です。

しかしこの方式はクライアントへのシステムインストールが必要でデータの扱い方を変えたい場合クライアントを入れ替える必要があり面倒です。
情報の孤立と言うことも起きています(部署ごとに個別のシステムが入っているため情報の連携が取りづらい)。
大本のデータはセンターにあったとしても加工された有効な見やすいデータが端末側に存在するためセキュリティに不安があります。

通信回線の帯域幅が広くなり回線速度が上がってきているためクライアントサーバーの弱点を解消するために全ての業務処理をWEBアプリで行おう(サーバー側で情報を加工し同時に画面を組み立てる方式)というのが現状です。それがDXの流れです。

全社的に必要な情報が整合性がとれた形でオンラインで参照できることが所謂DXということになります。

センターに格納されている大量の一元管理されているデータをそれぞれの業務に合わせて加工してそれぞれの部署で参照するというものです。
データが一元管理されているため業務の連携が図れるようになると言うことです。

DXとクラウドシステムの関連
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DXに関してクラウドシステムが議論されていますが、クラウドシステムというのはコンピュータ利用の共用化が図れるということです。
即ちコンピューターを安く使えるようになる可能性があると言うことです。
自分でセキュリティ対策などをしなくてすむのが利点の一つです。
クラウドシステムを導入することで地球上のどこでも同じデータを参照することが可能になります。
そのクラウドシステムを使って昔ながらのクライアントサーバーシステムを作ることも可能です。

しかしながらクラウドシステムにしたからと言ってDXが進むと言うことではありません。
クラウドを導入すれば必然的にオンラインシステムになります。オンラインシステムのメリットは活かせるようになります。
しかしクラウドシステムでクライアントサーバーシステムを構築した場合は、オンラインシステムではあってもそれは単に昔ながらの処理のサーバーをクラウド環境に置き換えただけで企業の各部署の連携が図る業務改革にはならないと言うことです。

クラウドシステムの導入がDXではありませんがDXを推進するためにクラウドシステムを導入することは有益です。
クラウドシステムを導入すると部署をまたがって企業のデータを参照しやすくなるメリットが生じます。
そういう環境ができてきてより企業の持つ情報を有効に使いたいときに業務間の連携を図っていくことの検討ができるようになります。
各業務の連携を図ることがDXですのでまずはクラウドシステムを導入してみる手はあると思います。

DXに関してオンラインシステムと言うことから考えてきました
自社のシステムをどうするかを考える際の一助になれば幸いです。

オンラインシステムに限らずシステムに関して知りたいことがおありでしたら、是非石黒社会システム研究所までお問い合わせください。大抵のことは相談に乗ります。具体的なシステム開発案件でなくても構いません。ちょっとしたツールを作りたいんだけど、というようなことでも構いません。システム開発についてどこから手を付けたらいいのかといった相談にも乗ります。基本的に相談は無料です。契約を前提として相談を承るというものではありません。相談をしてみたけれど問題が解決できなかった場合は料金は発生しませんご安心ください。具体的にシステム開発の契約が成立しましたら既定の料金を頂きます。

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