システム開発というときのCRMの位置付け

query_builder 2020/09/18
ブログ
CRMとは何でしょうか
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企業のシステムの全体イメージを再掲します。



CRM(Customer Relationship Management)は顧客との関係性を構築・管理するマネージメント方法です。
「顧客に合った商品やサービスを提供すること」を目的に導入するものです。
CRMの機能は、顧客データベースの管理機能、プロモーション機能、顧客サポート機能の3つです。細かく言えばCRMの基本機能は下記の6つに分類できます。
1. 顧客管理
2. メール配信
3. キャンペーン管理
4. ソーシャルメディア連携
5. 顧客サポート機能
6. データ分析レポート
顧客データには年齢や性別などの顧客の属性を登録し、グループごとの管理を行なったり、顧客とのやり取りの履歴を保存してきます。
このデータを基に、メールの一斉配信、メールマガジンの運営・管理、ウェブサイトのアクセス解析、クリックカウントの計測などをしていきます。
顧客サポート機能としては、アンケート機能を活用した満足度調査、セミナーやイベントの管理などに活用できます。
顧客との細かいやり取りを記録しそこから把握できる顧客の特性に合わせて商品などを売り込む手法になります。
顧客関係管理というからには、顧客を管理し、顧客との良好な関係性を構築していくというのがCRMの思想です。
よって一般的にCRMとは顧客管理システムのことを指します。CRMとは顧客との関係性を築くものです。
ですが、それが表面上の関係値であればこれもまた長続きしません。顧客が購入し続ける理由のTOP3はこうなっています。
① 効果が実感出来ている
② お得に購入出来ている
③ 商品、サービスへのこだわりが感じられる
CRMの本質は、顧客一人一人との心の繋がりです。このことを大切にして商売を継続させる仕組みがCRMになります。
我々が住んでいる日本では古来より日本独自の「おもてなし」の文化があります。日本人であれば誰しもが自然と身に付いている日本文化そのものです。
そして近年、この「おもてなし」の心をCRMに取り入れて世界に広めようとする新しいCRMが誕生しました。
即ち顧客のことを一番に考え、顧客の心地よさを徹底的に追及する。その結果、顧客が感動しファンとなり、口コミでまた顧客が広がっていく。
日本的CRMを浸透させていくことで、このようなプラスのループが発生します。


このことを踏まえてCRMの位置付けを図にしてみました。



CRMとは、どのようなものなのでしょうか。基本的にCRMには以下の2つの意味が存在します。
広義のCRM:顧客との良好な関係を構築・維持する施策
狭義のCRM:顧客関係管理を行うツール・システム
市販のCRMは狭義のシステムです。持っている機能は次のようになります。
「顧客がどのような動きをしたのか」を管理し、その情報をもとに「顧客との関係性を維持するためのアクション」がとれるようにする機能があります。
・顧客単位での情報管理
・会員管理メール配信
・問い合わせ管理
・アンケート実施
・各種セミナー/イベントの実施
・効率化とコスト削減のための機能
・顧客生涯価値(LTV)の向上を図るための機能部署間で顧客情報を共有できる
・成約率を向上できる
CRMはどちらかというと情報系(業務系システムあるいは部門別システム)に近いものです。
しかし顧客の詳細な情報を蓄積し、分析し、顧客特性を見極めて関係性を改善していくプロセス
(顧客関係を維持するためのPDCAを回す仕組み)であり全社一丸となって取り組む必要がある仕組みなので、
その意味では基幹システムとも言えます。CRMでは顧客がどういうときに何を購入したかの情報が必要です。
そこらへんは販売管理システムのデータを必要です。
顧客が何を求めているかを知りそれに応えるために製品を企画設計する段には広義の生産管理システムの出番があります。
顧客の購入実績を知りたければ財務会計システムのデータが必要です。即ちCRMというものは全社のデータと関連があるということです。
ある一つのシステムでCRMのが備えるべき機能をすべて満足させることはまずできないということです。
一つのシステムで本当の意味でのCRMを構築しようと思えばできないことはありませんが、非常に大規模なシステムを組む必要があります。
現実的にCRMを構築するためには、既存の基幹システムからCRMに必要なデータをかき集めるということになります。
市販の所謂CRMシステムは上記に挙げた機能は(手続き的な部分)はすぐにも実行できます。
しかし既存のデータを取り込むことは至難の業です。企業内に散らばっているデータをCRMとして使いやすい形に加工しなくてはなりません。
そのデータを加工するということは一つのシステムを作ることを意味します。
一つ一つのそういったシステムは決して大規模なものではありません。プログラミングの知識があれば誰でも作れる程度のシステムです。
このようなシステムを石黒社会システム研究所では小さなシステムと言っています。
しかし小さいシステムであっても、先ほどは知識があれば誰でも作れると言いましたが、時間がなかったり、作るのが面倒だったりするとその小さなシステムを作るハードルは高くなります。そこを何とかお手伝いしたいというのが石黒社会システム研究所設立の趣旨です。小さなシステムでお困りのことがあればご相談ください。

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